ぼく、香川に移住しました。

神奈川から香川に移住してデザイン会社を創業しました。いとうというデザインできない人間が、おバカに香川の企業の素晴らしさをお伝えします。

これからの農業の販売戦略とは?元博報堂マーケッターの提案

どうも

 いとうです。

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ほくは、デザインの会社を創業して6ヶ月くらいになるのですが、

デザインとともに、

香川の地元のいいものを日本全国に知ってもらいたいと、

お米などの農作物をデザインして販売しているのです。

 

そういったことを知ってくださっている、百十四銀行の方から

「今度農業における面白い方が来るので参加してみてください。」

とお誘いをしていただいたので、

三豊市から高松まで講演を聞きに行きました!

 

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 登壇者は、元カルビー社長の松尾雅彦さんと元博報堂マーケッターで現在

農業マーケティングの平岡豊さん。

 

今回は、平岡さんのお話を主に取り上げてまいります。

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地域ブランドを核とした販売戦略の立て方」

今TPPの大筋合意が決まり今後の日本の農業はどうなるのか?

そんな悩みをかかえているの農業関係者の方は多くいるのではないでしょうか?

 

私は、農業は今後「食の文化面」が強くなるのではないかと考えています。

 

これまでは、文明型戦略に対して文化型戦略でいくのはどうかという提案をする平岡氏。

 

文明化戦略とは、世界中で展開できる変わらない食ビジネス戦略のこと。

文化型戦略とは、地域のもつ個性を生かした文化を伝えていく食ビジネス戦略のこと。

 

文化型戦略で非常に優れた例として、香川県のうどん文化を例にすると、

 

現在香川県がうどん県として全国的にPRを行っています、

このPRに加えてうどん用の小麦である「さぬきの夢」のように地域で固有の品種を開発しました。

http://www.flour.co.jp/sanuki-no-yume/ 

 

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「さぬきの夢」といううどん用の小麦を使ったうどんの登場により、県外の人や海外の人が、うどん県である香川にあるうどん用の小麦を使ったうどん目当てに食べに来るというような循環を作り出すことができるようになります。

そうなっていくと、地域でしか、食べることのできない「うどん」を食べたいというムードが徐々に醸成していくと今度は、香川県に来れない人もそういった商品を求めるようになっていく。

最終的には、その商品を県外・海外と展開していくことで、農業のブランディングが完成するということです。

 

 

 

販売戦略は、ひとりでもできる。

みなさんは、博多の万能ネギをご存知でしょうか?

薬味にしてよし、焼いて食べてもよし、煮て食べてもよしの

なんにでも使えるネギとして現在東京でも高値の商品として売れています。

この商品は、元々はJAの若者が一人でブランディングしたのです。

 

地域の商品を盛り上げていくには一人が頭となって推進していくことで、

物事がどんどん進んでいった光景を平岡氏は見てきたそう。

逆に、みんなで進めていこうというグループは、形だけになりやすいと平岡氏はいいます。

  

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http://www.asakura-fk-ja.or.jp/product/vegetable/negi/

 

 

また、商品作りと、農業マーケティングの両輪で進めていかなければなりません。

 

農業マーケティングとは?

 今お米を10キロ買うとしたらあなたはいくらで買いますか?

4000円から5000円くらいが相場じゃないでしょうか?

 

そのお米を6000円の価格にする。

価格に価値を見出していくのが農業マーケティングです。

 

 例えば、トヨタのクラウンという車があります。

このクラウンをトヨタ

「買うなら、いつかは、クラウン!」

というようなCMや広報などのマーケティングを行い高級車のイメージを醸成していきました。

そのイメージが定着したら景気が変動しても価値が下がらない。

農作物に関してもこのようなブランド作りをしていく必要があると平岡氏はいいます。

 

 

農業マーケティングを具体的に展開していく為には

農業マーケティングを行い農業のブランディングを行っていくには4つのステップがあります。

 

  • 農業で売るターゲットを決める

車でも、お菓子でもどの層をターゲットにするかを考えて商品作りをしてきているのに

農業は、これまでしっかりとターゲット設定を行わないで商品が売られてきました。

これからの農業は、しっかりと特定層を狙って消費量を増やしていく必要があるといいます。

 

  • 地域の魂を込めた、多様なブランド作り

地域独自のもつ伝統文化や歴史由緒はもちろん、持ち味や個性で誇れるものは何かを明確にしていき打ち出していく必要があります。

週刊誌などで人気になっている「お取り寄せ」商品などを見てみると、どのような商品も地域固有の魂のこもった商品達が見られるはずです。

 

 

  • ブランドの多層構築を行う

例えば、そばで有名な長野県には、90種類も超える辛子大根が薬味として栽培されています。

たたら大根、親田辛子大根、牧地辛子大根などなど・・・

しかし、 親田や牧地といった地域(市や町)の名前を入れたブランドだけでは、

ほとんどの消費者には伝わりません。

そこで、「信州」親田辛子大根、「信州」牧地辛子大根というような誰もが知っている「県」といったブランドを入れていくと親近感は一挙に高まるのです。

車でいうと、「トヨタ」がトヨタ車のすべての安全性や環境対応について保証し、「クラウン」が高級感などの「個」としての魅力をPRするのです。

 

  • ジャンル別のナンバーワンを作る

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 世の中の人に覚えてもらう方法や、記事にしやすいものとしては、

ナンバーワンのもの以外ありません。

野球でもサッカーでも2位のチームは、ほとんどの覚えていませんし

話題にも上がりません。

ナンバーワンになると言っても自称するとか他社の商品を蹴落としてナンバーワンになるのではなく、ジャンルを作ってしまうのです。

例えば、同じネギを作るにしても、九州と東北の方では、気温が異なるため

九州のネギを売り出していくのであれば「日本で一番早く収穫できるネギ」

 といったように出荷の時期や地域の固有の特徴を用いてナンバーワンにしていけばいいのです。

 

 

平岡氏が考えるターゲット層の分類

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ターゲットについて 消費者を分ける必要があると平岡氏はいいます。

では、具体的にターゲット層はどのように分類しているのかというと下記の5つのタイプです。

消費者についてですが、「5つのタイプ」に分けて考えています。

  • 頭脳タイプ

栄養、安全などへの関心がつよいタイプ

コーラの歯が溶けない?遺伝子組換えなの?などに意識が向く層

 

  • 胃袋タイプ

食べ盛り、満腹感などへの関心

コスパなどに関心が強いタイプ

 

  • 財布タイプ

価格への関心

頭脳タイプと近く、日々の収入から考えて買うものを選んでいくタイプ

 

  • 五感タイプ

見た目、歯ざわり、香り、味わいなどへの関心が強いタイプ

感覚に的にちょっとこれ好きなど論理的な説明はできないが感性に任せる層

 

私個人もそうですが、五感タイプの人はめっちゃ多いと思います。

 

  • 心情タイプ

初物、縁起もの、生産者の苦労、ふるさとなどへの関心が強いタイプ

 

平岡氏は五感タイプ心情タイプには、特に力を入れたほうがいい!といいます。

恵方巻きなどのマーケティングはまさにそうで、この方角に向かって黙って恵方巻きを食べると運気があがるなどと言われてしまうとついやってしまったりするものなのです。

 

そういったターゲットに対してどんな打ち出し方をしていくかを考えていくことが

これからの農業の販売戦略を考えていくにあたり重要です。

 

これからの農業は、まだまだ発展しがいのある分野ですので頑張っていきましょう!

 という講演でした。

 

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平岡氏の講演を聞いていて、

ぼくが思ったのは、香川県というと古来から雨が少ないらしく

ため池が現在でも所々に見られるのですが、

横浜から移住してきたぼくにとっては驚きでした。

 

逆に言うと日本一、晴れの日が多い県が香川県なのではないかと思います。

 

なので、太陽のエネルギーが集まった農作物ということでPRしていくと香川県の由緒を元に特色を生かせるのではないかなと思ったので、

ちょっとこれを元に商品開発をしてみようかなと思っています。

 もっと講演を聞いていたら香川県のことを知っていきたいなぁーとも思いました。

 

 

 

 今回お誘いいただいた百十四銀行さん

ありがとうございました。

 

香川県で農業のこれから展開や推進にお困りの方などいらっしゃいましたら、

ご紹介いたしますよ!